スピッツ「醒めない」DVDレビュー 17曲目:スパイダー
スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。17曲目は「スパイダー」。
前曲「醒めない」の勢いを引継いで更に盛り上がりを魅せるこの曲。
イントロの草野さんのアコギのコードカッティングがカッコイイ。
コードカッティングとは要するに「ジャカジャ~ン」とコードをかき鳴らすことだ。
この曲で感じたことをツラツラと書いていると、意外に書くことが多かったので以下のようにまとめてみた。
1.スタジオ盤よりテンポが速い
前曲「醒めない」からの流れでノッているのか、スタジオ盤と比べてテンポが明らかに速い。
それはイントロの草野さんのコードカッティングからして速い。
がしかし、このテンポがカッコいい!これがライブのいいところ。
むしろライブのテンポの方がこの曲に合ってる気がしてくる。
スタジオ盤はどちらかというと「優等生」的なアレンジに聴こえる。
それは例えばエレキギターがほとんど聴こえなかったりするのが影響しているんだと思う。
それはそれで良いし今まで違和感なく聴いていたんだけど、ライブだとがっつりギターが鳴ってるし、テンポが速いから荒々しい印象を受ける。
これはこれでワイルドな感じ(?)でカッコいいのだ。
特にサビのギターコードカッティングが、なんというか、シュールなコードでカッコイイんだ。
荒々しい感じだけど、それでいてキメはキチッと揃ってたりして演奏もすばらしい。
2.エレキギターがカッコいい
さっきも書いたけどスタジオ盤に比べてテツヤさんのエレキギターが前面に出ている。
バンド演奏だから当たり前なんだけど、スタジオ盤だとほとんど聴こえないから曲の雰囲気がガラッと違って聴こえる。
特にサビの変則的なコード進行のフレーズはカッコいい。
たぶん2つのコードくらいしか使わずにサビの全部を弾いてるんじゃないかな?
3.曲の最後の方にクージーさんのソロがある
曲の最後のアレンジもカッコいいのだ。
どこがかというと、最後の方でサビを繰り返すとき、アクセントとして1小節短くして次のサビを歌っている。
これはスタジオ盤でもそうなっているんだけど、ライブだと草野さんの歌が終わってからも1小節短く演奏している。
草野さんの歌がないから、注意していないとどの部分を演奏しているか見失ってしまう。まずそのアレンジがカッコいい。
そして草野さんの歌と入れ替わりでクージーことクジヒロコさんのキーボードソロが入る。
当たり前だけどプロだからカッコいい。さすがだな。
キーボードのことはよく知らないけどなんかカッコいい。音色はエレピ(エレクトリックピアノ)かな。曲に合ってるね~。
そしてキーボードソロが後半になるにつれ、徐々に他の楽器も演奏が激しくなる。
徐々に混沌としてくる演奏がカッコいい。下手するとゴチャゴチャした演奏になりがちなんだけどそのギリギリの感じがイイね。
余談だけど、この最後の演奏のときに草野さんが前に出てくる。
普段は歌っているからなのか、なかなかステージの前には来ないんだけど、この時はまるで観客をアオるかのようにステージ前方で演奏している。
草野さんファンは必見だよね。
4.歌詞の世界観が斬新(ざんしん)
ちなみに、歌詞の世界観にびっくりした覚えがある。
この曲の主人公が「部屋の片隅で小さくアミを張っているクモ」っていう。この設定はなかなか出ない、すばらしい感性だなと。
あと言葉遊びというか、メロディーに合わせた言葉選びの感覚が冴えてる気がする。
「ちょっと老いぼれてるピアノ」とか「ハート型のライター」とか。
なかなか普通の感覚では出てこない歌詞だなぁと。さすがです。
こんな感じかな。皆さんのスピッツ研究の参考になれば幸いです。