スピッツ「醒めない」DVDレビュー 16曲目:醒めない
スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。16曲目はタイトル曲「醒めない」。
いよいよタイトル曲の登場だ。それまでの数曲がしんみり聴き入る曲が続いたから、ここらで一気に盛り上がっていこうか!と雰囲気をガラッと変える曲。
この後の曲順を考えると後半の盛り上がりのキッカケとなる位置づけになっている。
新曲だからということもあってイントロを聴いた時点でテンションが高くなるね。
たぶん会場にいて、イントロが始まったら「お~っ!」と声をあげてたと思う。
そんな「醒めない」の曲を初めて聴いたとき、意外とポップな曲の雰囲気にビックリした記憶がある。
というのも、その前に発表されていた曲が「雪風」「みなと」と、しんみりした、というか重たいテーマの曲が続いたので(両曲とも、もちろん好きな曲です)、てっきり同じ流れの曲なのかなと思っていた。
それがノリの良いリズム。ポジティブな歌詞。
「みんなありがとう。俺たちはこれからも歌い続けるよ。」っていう気持ちがまっすぐ伝わってくる。
ちなみにこの曲で使用しているリズムのことを「モータウン・ビート」と呼ぶ。
例えばこの曲↓↓↓
小気味良いリズムで思わず手をたたいてリズムを取りたくなるね。
アメリカのレコードレーベル「モータウン」から発表される曲にこのビートが多く使用されていたため、そう呼ばれるようになったのだそう。
さてさて、スタジオ盤との違いはというと、やはり新曲なのであまりアレンジ面での違いはなかった。
細かいところをいうとすれば、ブラスアレンジ(トランペットやトロンボーンなど管楽器のこと)がキーボードの音色に変更されていて、
「やっぱり生ブラスの方が存在感があっていいよな~。でもこの曲のためだけにトランペットやトロンボーン奏者を呼ぶのも人件費的に非効率だよね~。」といった印象くらいだ。
…と思っていたのだが、改めて聴いてみるとベースが全然スタジオ盤と違うのだ。
これでもか、というくらい「おかず」を入れまくっている。
…「おかず」って何?ステージの上で夕飯の準備でもしてるの?と思うかもしれない(思わないか…)。
「おかず」というのはベースでいうと通常弾くルート音とは違いテクニックを駆使したカッコいいフレーズを弾くことだ。
ドラムでいうと「フィルイン」に当たるのだが、バンド用語で「おかずを入れる」と言ったりする。
決してステージの上で夕飯の準備をするわけではないのだ(思わないか…)。
田村さんが弾くベースが自由に動きまくっている。ドラムでいうと1曲の間ずっとドラムソロを叩いているような感じだ。
もちろんプロだから曲の骨格はくずさないようにしているけど、僕の印象だとギリギリだ。
特に間奏のところなんてベースソロを弾いてるかのようだ。
よく観ると間奏後に田村さんが「よっしゃ!やったったで~!」と言わんばかりに大きく手を挙げている。
かなり楽しんで弾いているように見受けられる。いいなー。
ただ残念なのはベースは低音だからあまり聴こえないところだ。
僕はバンドでベースを弾いたことがあって、ベースの音がどんなものかわかるから聴こえるけど、そうでない場合はあまり聴こえないんだよね。
この曲もDVDをイヤホンで注意して聴いてるから違いがわかるけど、ライブ会場だったら気づくかどうか。。。
いや、分かる人には分かる!
僕もイヤホンで聴いてやっとわかるくらいだけど、田村さんのすばらしさ、分かってますよ~!これからも応援してます。