スピッツ「醒めない」DVDレビュー 3曲目:日曜日
スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。3曲目は「日曜日」。
田村さんのベースアンプの上でひそかにみんなを見守るモニャモニャ
僕はこの曲を知りませんでした。ファンと言ってレビューまで書いときながらお恥ずかしい。。。
イントロや間奏のキメが複雑でトリッキーだから、てっきり比較的新しい曲なのかと思いきや、調べたところなんと2枚目のアルバム「名前をつけてやる」(1991年発表、26年前!!)に収録されている。
曲自体はカッコいいのだが、演奏の複雑さもあってなかなか実験的な曲だ。デビューしたてで「これから売れるぞ!」と考えているであろう若手バンドが発表するような曲じゃない気がする。
デビュー当時のスピッツはバンドが売れる、ヒットソングを飛ばす、といったことはあまり考えてなかったらしい(スピッツの本「旅の途中」より)。それが年月が経つにつれスタッフや所属事務所に売れなくて悪いなという思いが大きくなって、「売れてみんなに恩返しをしよう」と考えが変わったらしい。
なのでデビュー当時のスピッツは結構トガった音楽をしてたみたいだ。それならこの曲を発表するのもうなずける。
そんな「日曜日」だけど26年後の今聴いても全然違和感がない。むしろサウンドが今風になっているからスタジオ盤よりかっこ良くなってる!
DVDに収録されるのは初めてなのでとても貴重なのではなかろうか。
肝心の曲として取り上げるべきは、やはり曲の複雑さだろう。あんな複雑なキメを随所に組込みながら平然と演奏しきってしまうスピッツのメンバーの演奏力には度肝を抜かれてしまう。さすが30年間も第一線を走りぬけてきたバンドなだけある。
僕もバンド経験があるだけにこの曲の難しさはよくわかる。
一番大変なのがドラムだ。何が難しいのかというとキメのフレーズの難しさは当然として、キメの時とそうでない普通の8ビートとの切替えがむずかしい。
キメを叩けたとしてもその後の8ビートのテンポが速くなってしまいがちで、安定しないのだ。
ちなみにドラムの崎山さんはモーラー奏法と呼ばれる難易度の高いドラムテクニックを体得しているらしい。素人の僕でもこの人のドラムはカッコいいとわかる。聴いていて気持ちいいフレーズばかり叩いてくれる。
こんな動画を見つけたので気になる方はぜひ。
相手の人は誰だかよくわからないけど、崎山さんがこんなに話しているところを見るのは初めてだったので新鮮。
「こんな難しい曲を、、、すごいな~~。」と演奏に圧倒されているうちに曲が終わってしまった。そんな曲。