スピッツ「醒めない」DVDレビュー 2曲目:恋する凡人
スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。2曲目は「恋する凡人」。
1曲目の「みなと」の余韻を掻き消すかのように刻む草野さんのギターリフ。「みなと」の曲の雰囲気は独特だから、こうでもしないといつものライブの雰囲気に切り替えられなかったのだろうか。
黒いストラトキャスターに持ち替えてリフを弾く草野さんのギター。やっぱり刻む系のフレーズはストラト等のシングルコイルのピックアップが音抜けが良くてカッコいいね。
この「恋する凡人」は13thアルバム「とげまる」に収録されている比較的新しい曲(2010年発売)だが、もうすでにライブの定番曲としての地位を固めつつある。
なぜならすごく盛り上がるのだ。メロディーも良いしロック調のアレンジも盛り上がるのだが、何より歌詞がわかりやすい。
平凡な人(おそらく男)が平凡から抜け出せないながらも、恋に向かって愚直に進んでいくサマを丁寧に表現している。主人公を突き放すわけでもなく、かといって過度に持ち上げるわけでもなく。その表現が聴いていて心地良い。
曲を披露する機会が多いからか、スタジオ盤と比べて少しずつアレンジが変わっている。
気付いたところを挙げると
1.イントロやサビのテツヤさんのギターの音色がちょっと変わっている(個人的にはあまりこの音色は好きではない)。
2.エンディングの最後の1音が、スタジオ盤だと「ジャン!」と切れて終わっているが、今回は「ジャーン」と伸びて終わっている。
本当に細かいところだがこういった違いを感じながら観るのも楽しいかもしれない。
そんな「恋する凡人」だが、1つだけ残念に感じる点がある。
それは「曲のテンポが速すぎる」のだ。
前のDVD「FESTIVARENA」の時にも感じたのだが、イントロの草野さんのギターのテンポが速すぎる。「FESTIVARENA」の時よりも輪をかけて速い。
そしてサビになると若干テンポが遅くなる。その後は速くなったり遅くなったりとテンポが安定しないから聴いているとちょっと落ち着かない。テンポが気になって曲にのめり込めないんだ。
他の曲がビックリするくらい完璧に演奏されるだけに少し残念。
この曲は勢いでいく曲だとバンド内で決めていて、ワザと荒っぽく演奏しているのだろうか?
それともステージでのテンションが高くなるとテンポが速くなりがちだから、草野さんもテンションが上がってるのかな?それならファンとしてはすごく嬉しいことだけど、ちょっと曲に対して扱いが乱暴な気がする。
超個人的な僕の感想では若干不完全燃焼な曲になってしまったけど皆さんはどう感じたでしょうか?
僕もライブ会場にいて生の演奏を聴いていれば、テンションが上がってテンポの事なんて気にならないのかもしれない。やっぱり家だと冷静に分析してしまうよね。30周年ライブ行きたいな~。