結成30周年記念!スピッツ「醒めない」ライブDVDレビュー

スピッツ結成30周年を記念して2017/05/03に発売されたライブDVD「醒めない」を観て、聴いてファン目線で勝手に分析してみました。それ以外にもスピッツ耳より情報などを書いていければと思っています。

スピッツ「醒めない」DVDレビュー 17曲目:スパイダー

スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。17曲目は「スパイダー」。

 

前曲「醒めない」の勢いを引継いで更に盛り上がりを魅せるこの曲。

イントロの草野さんのアコギのコードカッティングがカッコイイ。

 

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コードカッティングとは要するに「ジャカジャ~ン」とコードをかき鳴らすことだ。

 

 

この曲で感じたことをツラツラと書いていると、意外に書くことが多かったので以下のようにまとめてみた。

 

1.スタジオ盤よりテンポが速い

前曲「醒めない」からの流れでノッているのか、スタジオ盤と比べてテンポが明らかに速い。

それはイントロの草野さんのコードカッティングからして速い。

 

がしかし、このテンポがカッコいい!これがライブのいいところ。

むしろライブのテンポの方がこの曲に合ってる気がしてくる。

 

スタジオ盤はどちらかというと「優等生」的なアレンジに聴こえる。

それは例えばエレキギターがほとんど聴こえなかったりするのが影響しているんだと思う。

 

それはそれで良いし今まで違和感なく聴いていたんだけど、ライブだとがっつりギターが鳴ってるし、テンポが速いから荒々しい印象を受ける。

 

これはこれでワイルドな感じ(?)でカッコいいのだ。

特にサビのギターコードカッティングが、なんというか、シュールなコードでカッコイイんだ。

 

荒々しい感じだけど、それでいてキメはキチッと揃ってたりして演奏もすばらしい。

 

 

2.エレキギターがカッコいい

さっきも書いたけどスタジオ盤に比べてテツヤさんのエレキギターが前面に出ている。

 

バンド演奏だから当たり前なんだけど、スタジオ盤だとほとんど聴こえないから曲の雰囲気がガラッと違って聴こえる。

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特にサビの変則的なコード進行のフレーズはカッコいい。

たぶん2つのコードくらいしか使わずにサビの全部を弾いてるんじゃないかな?

 

3.曲の最後の方にクージーさんのソロがある

 曲の最後のアレンジもカッコいいのだ。

 

どこがかというと、最後の方でサビを繰り返すとき、アクセントとして1小節短くして次のサビを歌っている。

 

これはスタジオ盤でもそうなっているんだけど、ライブだと草野さんの歌が終わってからも1小節短く演奏している。

 

草野さんの歌がないから、注意していないとどの部分を演奏しているか見失ってしまう。まずそのアレンジがカッコいい。

 

そして草野さんの歌と入れ替わりでクージーことクジヒロコさんのキーボードソロが入る。

 

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当たり前だけどプロだからカッコいい。さすがだな。

キーボードのことはよく知らないけどなんかカッコいい。音色はエレピ(エレクトリックピアノ)かな。曲に合ってるね~。

 

そしてキーボードソロが後半になるにつれ、徐々に他の楽器も演奏が激しくなる。

徐々に混沌としてくる演奏がカッコいい。下手するとゴチャゴチャした演奏になりがちなんだけどそのギリギリの感じがイイね。

 

余談だけど、この最後の演奏のときに草野さんが前に出てくる。

普段は歌っているからなのか、なかなかステージの前には来ないんだけど、この時はまるで観客をアオるかのようにステージ前方で演奏している。

草野さんファンは必見だよね。

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4.歌詞の世界観が斬新(ざんしん)

ちなみに、歌詞の世界観にびっくりした覚えがある。

この曲の主人公が「部屋の片隅で小さくアミを張っているクモ」っていう。この設定はなかなか出ない、すばらしい感性だなと。

 

あと言葉遊びというか、メロディーに合わせた言葉選びの感覚が冴えてる気がする。

「ちょっと老いぼれてるピアノ」とか「ハート型のライター」とか。

なかなか普通の感覚では出てこない歌詞だなぁと。さすがです。

 

 

こんな感じかな。皆さんのスピッツ研究の参考になれば幸いです。

 

 

スピッツ「醒めない」DVDレビュー 16曲目:醒めない

スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。16曲目はタイトル曲「醒めない」。

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いよいよタイトル曲の登場だ。それまでの数曲がしんみり聴き入る曲が続いたから、ここらで一気に盛り上がっていこうか!と雰囲気をガラッと変える曲。

この後の曲順を考えると後半の盛り上がりのキッカケとなる位置づけになっている。

 

新曲だからということもあってイントロを聴いた時点でテンションが高くなるね。

たぶん会場にいて、イントロが始まったら「お~っ!」と声をあげてたと思う。 

 

そんな「醒めない」の曲を初めて聴いたとき、意外とポップな曲の雰囲気にビックリした記憶がある。

というのも、その前に発表されていた曲が「雪風」「みなと」と、しんみりした、というか重たいテーマの曲が続いたので(両曲とも、もちろん好きな曲です)、てっきり同じ流れの曲なのかなと思っていた。

 

それがノリの良いリズム。ポジティブな歌詞。

「みんなありがとう。俺たちはこれからも歌い続けるよ。」っていう気持ちがまっすぐ伝わってくる。

 

ちなみにこの曲で使用しているリズムのことを「モータウン・ビート」と呼ぶ。

 

例えばこの曲↓↓↓

 

小気味良いリズムで思わず手をたたいてリズムを取りたくなるね。

アメリカのレコードレーベル「モータウン」から発表される曲にこのビートが多く使用されていたため、そう呼ばれるようになったのだそう。

 

 

さてさて、スタジオ盤との違いはというと、やはり新曲なのであまりアレンジ面での違いはなかった。

 

細かいところをいうとすれば、ブラスアレンジ(トランペットやトロンボーンなど管楽器のこと)がキーボードの音色に変更されていて、

「やっぱり生ブラスの方が存在感があっていいよな~。でもこの曲のためだけにトランペットやトロンボーン奏者を呼ぶのも人件費的に非効率だよね~。」といった印象くらいだ。

 

 

…と思っていたのだが、改めて聴いてみるとベースが全然スタジオ盤と違うのだ。

これでもか、というくらい「おかず」を入れまくっている。

 

 

…「おかず」って何?ステージの上で夕飯の準備でもしてるの?と思うかもしれない(思わないか…)。

 

 

「おかず」というのはベースでいうと通常弾くルート音とは違いテクニックを駆使したカッコいいフレーズを弾くことだ。

ドラムでいうと「フィルイン」に当たるのだが、バンド用語で「おかずを入れる」と言ったりする。

決してステージの上で夕飯の準備をするわけではないのだ(思わないか…)。

 

田村さんが弾くベースが自由に動きまくっている。ドラムでいうと1曲の間ずっとドラムソロを叩いているような感じだ。

 

もちろんプロだから曲の骨格はくずさないようにしているけど、僕の印象だとギリギリだ。

特に間奏のところなんてベースソロを弾いてるかのようだ。

よく観ると間奏後に田村さんが「よっしゃ!やったったで~!」と言わんばかりに大きく手を挙げている。

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かなり楽しんで弾いているように見受けられる。いいなー。

 

 

ただ残念なのはベースは低音だからあまり聴こえないところだ。

僕はバンドでベースを弾いたことがあって、ベースの音がどんなものかわかるから聴こえるけど、そうでない場合はあまり聴こえないんだよね。

 

この曲もDVDをイヤホンで注意して聴いてるから違いがわかるけど、ライブ会場だったら気づくかどうか。。。

 

 

いや、分かる人には分かる!

僕もイヤホンで聴いてやっとわかるくらいだけど、田村さんのすばらしさ、分かってますよ~!これからも応援してます。

 

スピッツ「醒めない」DVDレビュー 15曲目:楓

スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。15曲目は「楓」。

 

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この曲は8thアルバム「フェイクファー」に収録されていて、19枚目のシングルでもある。この曲は「スピカ」と共に両A面シングルとして発表された。

 

「スピカ」もイイ曲だね。一緒にサビを歌いたくなる。

どんな曲かド忘れした人のために動画を貼っときます。実は僕も忘れてました。

あ~、そうそう。この曲だね。

 

 

…おっと「楓」の話に戻そう。

 

シングルは1998年に発表されていて、ライブでもよく演奏されているから他のライブDVDにも多数収録されている。

僕が調べたところだと「フェスティバリーナ 日本武道館」と「さざなみOTRカスタム」。

 

実はこの曲は時を重ねるにつれアレンジが変化しているのだ。

 

「楓」スタジオアレンジとライブアレンジの違い

2009年の「さざなみOTRカスタム」では スタジオ盤(CD)に近いアレンジで演奏されているが、2014年の「フェスティバリーナ 日本武道館」、そして今回の収録ではアレンジがちょっと違っているのだ。 

 

スタジオ盤との違いは以下の通り。

  1. 最後のサビの前半部分が草野さんの歌とアコギのみのアレンジに変更されている
  2. エンディングがスタジオ盤だとフェードアウトだが、ライブ盤はピアノソロ

久しくスタジオ盤を聴いていなかったから、てっきり草野さんの弾き語り部分があるものだと思っていた。CDに録音した時、そして2009年まではなかったんだね。

 

エンディングの部分は2009年バージョンでもあったけど、これはライブだとフェードアウトすることは不可能だから急きょというか必要に迫られてアレンジを変更したんだろうね。

 

感想を言うと、「ライブバージョンでこの曲のアレンジは完成された」と言っていいと思う。

どちらかというと、僕はライブバージョンの方が好きだ。

弾き語り部分があった方が曲がドラマチックになるし、最後のピアノソロで終わるのもうまくまとまってて、すごくしっくりきてる。

 

何度もライブで演奏していくうちにスタジオ録音の時には思いつかなかったアイデアが生まれ、それを少しずつカタチにしていったのだろう。

 

「完成した」と言うのは間違いか。まだ未完成なのかも。たぶんこれからもライブを重ねるごとに進化していくんだろうな。

それを考えるとライブバンドっていいな~、って思う。

 

スピッツ「醒めない」DVDレビュー 14曲目:夢じゃない

スピッツ結成30周年を記念してライブDVD「醒めない」を勝手にレビューする企画。14曲目は「夢じゃない」。

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 この曲は4thアルバム「Crispy!」に収録されていて、16枚目のシングルでもある。

この曲はアルバムが発売された4年後に「ふたり」というドラマの主題歌になったため、急きょシングルカットされたらしい。

だから同アルバムに収録されている「裸のままで」や「君が思い出になる前に」は6、7thシングルだけど、「夢じゃない」は16thシングルになっている。

 

この曲も名曲だよね。今更何を書けばいいのか正直悩ましいところだけど、とりあえず書いてみようと思う。

 

1993年に発表されていて、もちろん名曲だから他のライブDVDにも収録されているだろうと探してみたら、意外にも今回初収録なんだね。なにげに貴重!

だけど他のライブとの違いを書こうと思った僕の狙いが外れてしまった。。

 

ならばスタジオ盤との違いを書こうと思ってCDと聴き比べてみた。

だけどCDとほとんど違わないライブでの再現率。すごいとしか言いようがなく、僕からすると書くことがほとんどない。。

CDとライブDVDの違うところといえばキーボードアレンジが若干ピアノ主体に変わっているくらいで、それも特に目立つ感じではないから、すごく集中して聴かないと分からない程度だ。

 

あと僕がこの曲で気に入っているところといえば、最後のサビ前の静かなところで弾くベースソロ 。

あのベースの音域の中で高い音で奏でているフレーズが曲にマッチしてていいな~と思う。

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その手前のキーボードの フレーズも好き。

 

まぁでもそのくらいか。

 

あとはこの曲のPVが結構、力作だなというところかな。

僕は初めて観たんだけど、なんかストーリー性があって、物語に引き込まれる。

まだ観てない人は一見の価値ありだよ。